フルミスト(経鼻インフルエンザワクチン)について
- 2024年9月6日
- 予防接種
インフルエンザワクチンといえば日本では注射製剤が主流ですが、欧米では経鼻ワクチンが増えています。今回紹介するフルミストは米国で20年前から、EUで10年前から使用されています。
フルミスト点鼻液(経鼻生インフルエンザワクチン)
○規格:点鼻用スプレー
○製造株:3価(A/ノルウェーH1N1, A/タイH3H2, B/オーストリア ビクトリア系統)
○対象年齢:2歳以上〜19歳未満
○接種方法:点鼻0.2mL(左右に各0.1mLずつ)
○回数:1回
○副反応:鼻閉、鼻漏、咳、咽頭痛、頭痛など
先日、日本小児科学会から発表された『経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方』では、不活化ワクチン(従来の注射ワクチン)と比べて予防効果に差はないとしています。また経鼻生ワクチンは、飛沫や接触によりワクチンウイルスの水平伝播の可能性があるため、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は不活化ワクチンの使用を推奨しています。さらにぜんそく患者についても不活化ワクチンを推奨しています。
経鼻生ワクチンを使用できない例として、2 歳未満のお子さま、19 歳以上の方、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチンアレルギーを有する患者などがあり、注射ワクチンのみを推奨しています。
本製剤の一番のメリットは、注射が苦手なお子さまにも心理的・身体的な負担を軽減して接種できる点です。当院でも取り扱っていますが、注射製剤と比べて供給量が少ないため、ご希望の方は必ず事前にお電話での予約(092-407-3278)をお願いいたします🦒